二重人格



「はいはいっ、ちょっとうるさいぞーっ

次お前当ててやるから、とりあえず薫この問題だけ解いて」


『えっ…』


全く授業が答えられない私は本当に頭が真っ白だった。

いつもは真面目に聞いてこんな問題すぐに出来るのに、頭がいっぱいいっぱいでどうしたらいいかわからない…


「先生っ、二番っ!!!」


坊主頭のテツが向こうの方で大きな声で答える姿に皆は爆笑した。



「ばーか、桜井が好きなだけだろっ、お前」

「お前桜井助けるなよー」


そう皆は叫び私達を冷やかす。

テツ君は3回私に告白をし、私は3回断った。


なのに、私の事をまだ好きだとか叫んだり、、平気でそんな事をする。


嬉しかったけど、面倒くさい事の方が多かった。

けど、今回はテツ君のおかげで命を救われた。


ありがとう…。


「お前面白いな~
はいっ、正解ね!
これ2番なっ」


ヒロキはいつの間にか私のクラスの人気者となり、皆が何でも話せる存在になった。


「先生っ、大好き!」


そんな事を平気で男女が口にするようになり…私は不満でいっぱいだった。



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