二重人格
変化する気持ち。
No.3
あれから一週間。
彼の人気は劣るところかヒートアップしていた。
彼は毎日毎日たくさんの手紙を貰い、メアド交換してー!っと毎日毎日言われ続けた。
それに告白も相次ぎ、学校中が怖いほど盛り上がっていた。
皆とメアドを交換したかは知らない。
むしろ、どうでもいい。
だけど、お姉ちゃんを傷つけて欲しくはなかった。
そして、私達は挨拶しか交わさない仲になっていた。
あの日からまともな会話はゼロに近い。
『今日もうるさい…
…邪魔だし』
そう職員室の前で呟きながら、職員室を通過する。
「俺も同感っ」
タケがそう言って迷惑そうにヒロキを見ている。
『あなただってモテるのは一緒でしょ?』
意地悪そうな顔でタケを見上げる。
鋭く引き込まれそうなタケの目には慣れたけど、見る度に綺麗な目だな…と私は毎回思う。
「薫だってっ」
『私は違うもんねーっ』
そういたずらな目をして私達は笑い合う。
「なーに、朝から二人いちゃついてっ」
美咲がぐいぐい二人の間を入る。
『「違うっ」』
二人で同時にそんな言葉を言うから私達は笑いが止まらなかった。