二重人格
一時間目は石川ヒロキの授業。
あの日から私を馴れ馴れしく扱うのも話しかける事もなくなった。
私はその関係に満足で、このまま一ヶ月半が終わればいいってそう思っている。
「授業するぞー」
ヒロキはそう言って黒板に何かを書き始める。
女の子は目を輝かせながらヒロキを見つめる。
男子は少し騒がしい。
「静かにしろーっ
やらないとうるさい奴当てるからなーっ」
そう言うと皆は何故か笑った。
本当に皆が別人みたいだ。
いつもおじさんの先生がこんなセリフを言っても笑わないのに、、、ヒロキには皆が笑う。
「おいっ、カネっ
何書いてるんだよ~」
ヒロキは笑いながらカネの席まで歩く。
ヒロキはカネの事を気に入っているようだ。
「……学年の可愛い子ランキング……お前なにしてんだよ(笑)」
そう言ってヒロキは笑う。
すると、皆も笑う。
「学年の男子に可愛いと思う子の統計集めてるんすよー
やっぱりダントツ薫ちゃんがトップでさー
先生どうしよ~」
カネがそう言うと皆は爆笑した。
私は嫌だった。
モテるとかモテないとかそういうのが嫌いだったし、一番は反応に困るのだ。