二重人格
「お前はモテモテなんだなっ、皆騒いでる」
ヒロキはニカッと笑って私を見る。
『それを言うならヒロキだって』
反射的に出た言葉に後悔した。
「やっと、俺の名前呼んだっ。
不機嫌さんっ、直ったか?」
そう言って私のほっぺをグイッと優しく引っ張った。
『ごめんっ、だけど…私本当に嫌だった。
学校で馴れ馴れしいのとか嫌だった。』
「俺も反省した…お前に甘えてたし。
これからは止めるよっ
俺らの関係は秘密にする。」
大人だな…って初めて思った。
チャラチャラしてるだけじゃないのかも、、実は男らしいのかな。
『うんっ』
「じゃあ、この話は終わりなっ」
突然心がスカッとして私の心はまた晴れた。
いつもの元気な私に戻れる。
『ねぇ、お姉ちゃんのどこが好きなの?』
私はそんな事を聞いていた。
「どこだろうな…」
考えている姿がなんだか子供みたいで、私は笑えた。
『お姉ちゃんは綺麗だし、頭よくて、格好良くて……全部揃ってるもんねっ』
私はお姉ちゃんが好きだった。
だから、お姉ちゃんの彼氏にお姉ちゃんの株をわざと上げるような事を言う。