二重人格
そんなこんなで休日になり、家にいたのは何故かヒロキと私とママだった。
お姉ちゃんは休日なのに残業があるらしく仕事。
お父さんはゴルフに行ってしまった。
「『暇~』」
私とヒロキは口を揃えてそう言って、ソファーでゴロゴロしている。
「ちょっと、そんな暇なら二人で買い物行ってきて」
お母さんはそう言っておつかいの品物が書いてある紙を渡した。
『えー、ヒロキと行くのー』
ゴロゴロしながら私は不満を彼の目の前でこぼした。
「暇なら行ってきてよー」
お母さんはだだをこねるようにする。
「俺は行く、暇だもん」
ヒロキはそう言って車の鍵をクルクル指で回す。
『じゃあ、私も行く。
ヒロキだけだと心配だしっ』
「生意気なやつっ」
そう愚痴を言いながらヒロキは支度をした。
私はショートパンツにゆるゆるのTシャツを着てなんともラフな格好だった。
ヒロキの私服はなんだか新鮮だった。
ザ・オシャレ感が漂う彼の服はなんだか見違える。