二重人格



いつの間にかお昼になって、私とタケはいつものバスケ部倉庫にいた。


やっぱり、ここが一番落ち着く。


誰もいない部室にちょうどいい広さ。

机だってある。


タケはいつも買うパンを食べながら紙パックのコーヒー牛乳を飲んでいる。
私はお母さんの作ったサンドイッチを食べていた。


『ねぇ、美咲、、本当は何があったの?』


これを聞くまで少し時間がかかった。
緊張したというか、最後まで聞いて大丈夫かな?と迷っていた。


「えっ?」


『だって、今日の朝、タケしどろもどろだったし、、、なんか、いつものタケと違ったっていうか』


私は思わず紙パックの紅茶をガブガブと飲んだ。


「あぁ、、薫は心配する必要ないよっ、薫のせいで休んでるわけじゃないし、、、」


『だけど、一応心配だし』


「あいつは、昔からあぁ見えて弱いやつなんだ。
見た目は怖そうだけどな、、、」


そう言って爽やかな笑顔を浮かべるタケ。
タケはやっぱり優しいやつなんだ。
美咲の事もわかってくれてる。


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