二重人格



『うん、、私、そういう美咲好きだよ』


「あぁ。
あいつはお前と出会って変わったんだよな」


真面目な瞳をしながらタケは私を見つめる。
その目があまりにも綺麗で思わず目を反らした。

『変わった?』


「あぁ、昔は誰も信用しないような心のないやつだった。

男にはだらしなかったし、友達はあいつよりももっと怖そうなやつで、、、だけど、お前と出会ってからあいつは優しくて…心のあるやつになった」


『ふーん、、なんか嬉しい

だけど、私は美咲に感謝してる。
美咲は私を守ってくれる、、、タケもねっ』


「俺も薫に感謝してる。」


優しい顔をしながらタケは楽しそうに話していた。


『タケは美咲が好きなの?』


イチゴジャムのサンドイッチを口いっぱいにしながら、私はズバッとそんな事を言う。


「えっ?
女として?」


『もちろんっ』


「まさかっ、好きじゃないな」


『ずーっと美咲といるから好きなのかと思った。

タケは美咲の全てを知ってるし、、、』


「確かに、俺は美咲の事全部知ってるけどな…

だけど、好きな人は違う。」


そう言いながら、一つしかない窓を覗く。


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