二重人格





ドキッ…-



ドキッ…-




突然胸が締め付けられるように痛くなって体温がグッと上がる。


胸が痛くて、どこか歯がゆい。




なんとなく恥ずかしくなって、私はゴロンと床に寝転がる。



「お寝むの時間か?」


『赤ちゃんじゃないもん』


そう言いながらあくびをする私を見てヒロキはクスッと笑いながら私のほっぺをつまむ。



ドキッ…-


ドキッ…-



再び心臓がおかしくなってる。

ヒロキと目があって、ただ見つめ合ってるだけなのに…どうしてドキドキするの?


「そんな目でみんなよっ」


『っ?』


「はぁ、今日はここで寝るか…」


『えっ?』


「下手に今帰るより、明け方帰った方がバレないし」


『えっ!!

お姉ちゃんにはなんて?』


「大丈夫だよ、俺から言っとく」


『私、怒られちゃうよ…』


「大丈夫だよ
今日帰りたくないって言ったの俺だし」



思わぬ急展開に私の心臓はバクバクしていた。

どうしよう…。



< 56 / 87 >

この作品をシェア

pagetop