二重人格
これは正しいこと。
だけど、私は何故かヒロキと二人で話せて幸せだった。
嫌じゃなかった。
一緒にいたいってちょっとだけちょっとだけ思ってしまった。
胸がドキドキして痛くなって、苦しくて、おかしくなる私が嫌になる。
自分の事しか考えてない私が嫌になる。
『ちょっとー、聞いて…』
突然、温かい大きな体が私をふわっと包み込む。
優しい温もり。
優しい香り。
優しさに包まれる。
『…る?』
振り返った途端に包まれ、目の前が真っ暗になる。
えっ…-
どうしちゃったの?
「ちょっとだけ…このままでいてくれ」
いつもと違う優しい声。
ドキッ…-
ドキッ…-
胸の鼓動が抑えきれず、苦しくてたまらない。
私の飛び出してしまいそうな心臓の音が彼に伝わってしまいそうで、恥ずかしくて、、、
それだけしか考えられない。