二重人格
私は苦しくて、つい深くゴクリと頷いた。
その瞬間何かに解放されたみたいに気持ちが楽になって、、、私の手はいつの間にか彼の背中にあった。
ドキッ…-
ドキッ…-
「ごめんな」
一気に涼しい風が体を取り巻いて、ほんの少しだけ温もりが残っていた。
『うんっ』
沈黙が続いてその間が凄く長く感じた。
だから、私はすぐに彼のカバンを手にとって『はい、これ』と何事もなかったように渡した。
『ほらっ、行くよ?』
そう言うと、ヒロキは軽く頷いて私達は夜のプラネタリウムを抜け出した。
顔が熱くなっているのがわかった。
暗闇だから分からないけど、今の私はきっと、恥ずかしいほど顔が赤い。
それに心臓だって、手が震えるくらい動揺していて、、、
そんな自分を隠す事に必死だった。
恥ずかしくて、恥ずかしくて。。
だけど、もどかしくて…。
私の長い髪と短いスカートは風でゆらゆらと揺れていた。