二重人格
「相変わらず毎日残業ばっかりよ
何よ今更…」
部屋着に着替え部屋を出てお姉ちゃんを見ると、ムッとした顔をしながらテレビを点けている姿が見える。
『最近ヒロキと話してるところ見てないからさっ
せっかく同じ家にいるのに、、、』
口をとがらせながら私は冷蔵庫のお茶をとってソファに座る。
「子供は黙ってて」
ちょっと怒り口調で私にそう言う。
『子供じゃないもん、もう18ですー
もしかして、お姉ちゃん喧嘩した?』
ニヤニヤしながらお姉ちゃんを見てそう言う。
「うるさいっ
黙ってなさいよー」
お姉ちゃんは無理やりチャンネルを次々に替えながらフンッと言っていた。
『お姉ちゃんもったいないねー』
「はっ、なんで?」
『だって、ヒロキはお姉ちゃんの想像を超えるくらい学校で人気なんだよっ
毎日毎日告白されるくらいっ
こんなふうにっ。
付き合って下さい!とかかっこいい!とか言われちゃってさ』
私は笑いながらその人達の声や姿や行動を真似をする。
お姉ちゃんはいつの間にか笑顔に変わって私の事を見てクスクスと笑っている。