二重人格



座り込んだ私の隣にタケはあぐらをかいて座った。


「バスケいいだろ?」


『うん』


「バスケすると無心になれるんだ…誰も理解してくんないけどさ」


照れ笑いをしてボールをくるくると回す。


『私はわかるよ』


魔法みたいにほどかれる何かと軽くなる心。


「今日は美咲くるよっ
教室戻るか?」


私の気持ちは一瞬で晴れる。
友達が一人もいない学校はやっぱり寂しいものがある。
それに美咲と話したいことが沢山だし。


『うんっ、はやく行こう』






教室に着くとやっぱり美咲ははやく学校に来ていた。


「おはよっ」


『美咲ー!
会いたかった~』


私はそう言って勢いよく美咲に抱きつく。
美咲は私を犬みたいによしよしと頭をなでた。


「ごめんねー、昨日は」


『もう大丈夫?

…あれ、顔色悪くない?』


ふと美咲を見ると、いつもの小麦色の素肌が青色へと変化し、クマもはっきりとある顔がある。


「大丈夫っ、昨日寝不足でさー」


照れ笑いをしながら髪をくしゃくしゃする。


『じゃあ、授業中寝溜めしないとねっ』


「お前ら学校に何しに来てんだよ」


そう笑ってタケは会話に入ってくる。


「顔色悪いぞ?
大丈夫か?」


タケは心配そうな顔で美咲をみて肩を叩く。


「うんっ、ありがとう」

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