二重人格
『それで、、、抱きしめられた…』
昨日の事を美咲に話したのは放課後の事だった。
「はっ??
まじ?」
美咲は身を乗り出して大きな瞳で私を見る。
『…うんっ』
「好きなの?あいつ」
『けど、お姉ちゃんの彼氏だよ?』
「そうだけど、普通そんなことするか?」
興奮しながら美咲は一気にコカ・コーラを飲む。
『向こうは私の事を妹としてしか見てない。
だから、そういう意味のハグみたいな感じだよ…たぶん』
私は無理やりピーチティーを飲む。
「ようやるわ、あっちも
彼女の妹なのに…
で、肝心の薫はどうなの?」
『はい?』
「だから、どう思ってんの?
あんなイケメンに抱きしめられてドキッとしない人いる?」
そう言ってカチャカチャとメールをうつ。
『えっ…。
だって、お姉ちゃんの彼氏だし
それに先生だよ?!
駄目だよ、、、それは』
自分に言い聞かせながら私はそう答えた。
「今の言葉、自分に言い聞かせたでしょ?」
はっ?
なぜわかった?
えっ?
「私に見破られないとでも思ったの?」