二重人格



コンビニに入ると私はスタスタとアイスコーナーに向かう。



彼の気持ちなんか無視した。
無視したかった。
だから、あえて彼の顔を見なかった。



『どれにしようかな-…』


ガラス棚にはりつきながらアイスを見る。


『私は最中アイスっ…』


ガラガラと扉を開けて最中アイスを出す。


『私はいつも最中アイスなんだっ

ヒロキが初めて家来てアイス食べた時ね、最中アイス取られて私ショックだったんだよ…』


わざと笑いながらそう言う。


「そうだったんだ」


やっぱり素っ気ないよ。
どうしてかな。


『ヒロキはどうする?』


「俺も最中アイスがいい」


そう言って私はアイスを取り出した。


「俺が金出すよ」


静かにそう言って、買い物カゴを奪いレジに持ってく。


『ちょっと…なんで怒ってるの?』


「別に怒ってなんかないし」


『怒ってるじゃない』


「どうしたらいいかわからないだけだよ!」


少し大きな声を出してヒロキは怖い顔をする。
こんな顔初めてみた。


『こんなとこで大きな声出さないでよ…。』



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