二重人格
「ごめん…」
『、、うんっ。
大丈夫?』
小さな声で周りを気にしながら言う。
「…ごめん
俺どうかしてるわ」
頭を抱えて苦しそうな顔をする彼になんて言ったらいいかわからなかった。
『よくわからないけど、、、落ち着いて?』
そう言って背中をさする。
ゆっくり頷いてレジに向かった。
「あれ?
先生?
桜井さん?
えっ、なんで?」
げっ…。
確か、この人同じ学校でアルバイトしてる人じゃなかったっけ?
確かこの前話かけられたような。
え゛
最悪だっ。
「あぁ、お前うちの生徒だよな?」
自然に会話を交わすヒロキが信じられず、私はずっとうつむく。
「あぁ、はいっ。
先生なんで桜井さんと?」
不思議な顔をして私達をジロジロと見る。
「…えっ?」
「もしかして、二人付き合ってたり?」
ニヤニヤしながら私達を見る。
彼の瞳は恐ろしいほどキラキラ輝いていた。