二重人格
『違うよっ』
「大丈夫っ、俺誰にも言わないし」
ニヤニヤしながらアイスを袋につめる。
『ちょっと、ただ会っただけ』
必死な私にただただ黙る彼。
本当に信じられない…。
「わぁ、俺桜井さん狙ってたのになぁ」
頭を抱えて笑う彼は悪魔に見えた。
私は困った顔をして彼にひじうちをする。
「俺らそんな関係じゃないよ」
ヒロキは真面目にそう一言いう。
「俺らとかやめて下さいよ~
はい、先生520円」
『…もう』
違うのに…最悪。
どうしよう。
違う違う。
「やっぱりおごりですか、先生いいな~
やっぱりイケメンはずるいっすよ~」
なんてしつこい奴。
最悪。
「はは、また学校でな」
ヒロキはスタスタとコンビニを出た。
『もう最悪~』
「別にいいじゃん」
『ヒロキは何もわかってない…』
「なんでだよ」
『どうして否定しなかったのよ…』
「…はぁ。
ちょっと一人になってもいいか」
『大丈夫?』
「あぁ…」
『わかった…最中アイス冷凍庫にいれとくねっ』