二重人格



【桜井さんにメールするなんて、久しぶりだね。

私はこんな形で桜井さんにメールする事、残念です。
あなたが石川ヒロキ先生と付き合っている事知ってるよ。

だけど、私の方がずっと先生の事好きなんだ。
この気持ちは負けない。

だから、もう別れて。
二度と近づかないって約束してくれるよね?

約束破ったらどうなるかわかってるよね?
じゃあ、宜しくねっ。


PS,二度とやらないって二年前約束したよね?
だけど、これで二回目。
残念だけど覚悟してね。
私は約束守るから】





嘘ばっかり。

全て嘘。


だけど、あの子は本当に本当に残酷な子。
平気で残酷な事をする。


だから、、、どうしよう。




『はぁー…』


ゆっくりと携帯を机に置く。


「落ち着け」


タケはそう言って私の背中をさする。
美咲はずっと黙って私を見る。


『私付き合ってないよ。』


二人に強くそう言って下を向く。


「じゃあ、なんでこんな事?」


タケの強い目が少し怖い。


『石川ね、私のお姉ちゃんの彼氏なんだ。

だから、よく一緒に帰ったりしてる』



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