手の平から
私はお母さんが倒れたこと、今は容態が落ち着いたことを話した。


「わかった。私、今からそっちに行く。」

「だめっ。香奈、今は井上とデート中でしょ?」


私のせいで香奈のデートを台なしにしたくなかった。

「私、行くから!!こんな時くらい私のこと頼ってよ!!」


香奈が泣きそうな声で言った。


「場所は?」

「病院前の公園……」


香奈の真剣さに負けて私は言った。
< 36 / 113 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop