手の平から


冬の夕暮れは早く、5時なのに辺りは真っ暗になってた。


香奈の電話から1時間。
私はお母さんの病室に戻るのが怖くてずっと公園で座っていた。




こちらに走ってくる音がして私は顔を上げる。
暗くて見えなかった。
でも街灯の明かりで、はっきりとその顔が照らされた。



相沢だった。
いつもの笑顔じゃなくて、すごく焦った相沢だった。
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