手の平から


“ひさし”ってかわった読み方だな……




「えっと、私の“みち”の字は……」


「賀山は“遥”って書いて“みち”だろ?俺の名前も珍しいけど賀山もだな。」


目を細めて笑った相沢。
相沢に教えたことないけど私の漢字、知ってたんだ。



「香奈一人に台所任してるから私行くね。」



そう言って相沢に背を向けた。




相沢は人の心を読めるのかもしれない。
そう思えるほど私の考てることと同じ事を口にする。
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