恋が落ちる頃。



 蛍が小さく指差した方を見ると
 前の列にいる男子達の中
 一人派手に目立つ茶髪がいた。


 「何あの人…」

 「解んないけど一人だけ
  茶髪なんだよねぇ……」


 チャラい。
 それしか思いつかなかった。


 「ヤンキー?」「…今時?」


 蛍と小声で話してると、
 気付いたら退場の指示がかかってた


 「後でね、桜!」


 あたしは小さく手を振った。



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