世界の中心は、...ある兄妹の場合
そして、
只、触れるだけのキスがさとから贈られる。
直ぐに離れ、目が合うと
もう一度、どちらから共言えずに
それが繰り返される。
「っは・・・」
「ふぁ、」
「何て顔してるのさ」
「だって、さとが悪いんだもん」
「はいはい・・・先、降りててよ」
「・・・・・・さと」
「ん?」
離れて、さとの上から退いて身なりを整える。
さとはベッドに腰掛け、あたしの口許を拭う。
そしてあたしを下に行くように促し、自分は制服に着替えるべくクローゼットの取っ手に手を掛けてる。
そこでふと、今日は未だ言っていない言葉を小さな声で伝える。