【BL】保健室のベッドで
笑いを抑えながら入れば、それを見逃さなかった先生。
「ニヤニヤしてないで、さっさと鍵閉めてこっちに来なさい」
「そうゆうとこだけ、先生…ですか?」
「いつもお前以外には、先生くらいやってるよ」
遠まわしな言い方だけど、" 特別 "そう言われてる気がして少し嬉しい。
先生は目を細めクスクス笑いながらテーブルの上のコーヒーに手をつける。
少し薄い潤んだ唇を凝視してしまう。
ひとつひとつの仕草、すべてが綺麗で…
毎回お決まりのように見とれてしまう自分が嫌いだ。
「…そう、ですか」
「つっ立ってないで、隣…来れば?」
コーヒーカップを持ってない方の手で、ソファをポンポンと叩く先生。
やんわりと弧を描いた口元はいつもの妖艶さはなく、もっと柔らかい優しい笑み。
そんな先生の姿を見ていたら、なぜか分からないけど。
身体の真ん中の…心臓のあたりが、ズキッって苦しくなった。
僕は先生のことが好きなんだと思う。
いや、好きなのだ。
いつの間にかどうしようもないくらい、好きになってしまっていたのだ。