【BL】保健室のベッドで
なんか、すごく…悔しい。
そう思っているのは僕だけで、胸を痛めているのも僕だけ。
あぁ、今まではこんなこと思いもしなかったのに。
唇を噛み締めながらも、先生の隣にストンと腰を下ろす。
「どした、不機嫌な顔して」
先生はきょとんと僕の顔を覗きこめば、コーヒーカップをテーブルにおいて僕の頬を両手で優しく撫でる。
冷たい左手、コーヒーで温められた右手。
心地よくはないはずなのに、やっぱり…落ち着く。心地いい。
考えれば考えるほど、単純な自分に腹が立つ。
けど、それを勝る先生の体温。
「熱、あるのか?」
黙り込む僕を見かねてか、先生の冷たい左手は額へと移動する。
熱なんかじゃない、熱なんかじゃないよ。
先生。
先生のせいだよ。