愛してるんだよ。
「行くぞ」


と引っ張られムリヤリ靴をはかせられた。


私は子供か


と思いながら、されるがまま学校まで辿り着いた。



入学式がある体育館に入ると、私の嫌いな特有の雰囲気があった。


“どこから来たの?”


“名前は?”


“あの人カッコイー”


だの、そんな言葉が飛び交う。


『カズ、あたし無理。始業式終わるまで保健室いるから、教室で自己紹介とかあったら、私の分もやっといて』


「俺に任せていいのかよ」


不敵に笑う姿が、どうも怪しかったけれど、この空気に耐えられず



『頼んだ』


と言い残して保健室へ行った。
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