愛してるんだよ。
ありがとう…



見返りを求めず与えてくれる勇気は、私を少し強くする。



「だから…今日、来てくれて…ありがとう。」



そう言って、笑った…つもりだ。



うまく笑えてる自信なんて、これっぽっちもないけれど、親父の泣き顔に比べたらマシかもしれないと思った。




その瞬間、ステージから拍手が起きて…



コンテスト中だった事を思い出して消え去りたくなった。



カズが、笑って私を抱きかかえる。



『頑張ったこの花嫁に、清き一票を』



と言いながら。
< 158 / 370 >

この作品をシェア

pagetop