愛してるんだよ。
親父は母さんに、ありがとうとごめんなを何回も繰り返し言いながら抱きしめた。




その時、ドアの前で動けなくなっていた私は、少しの隙間から母さんと視線がぶつかった。




確かに、目があった




はずなのに母さんは私を見ていなかった。




私はそこにいないかのように




ただ心を隠して、必死に感情を無くしているように見えた。




その姿は、痛々しくて




涙が溢れた。




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