愛してるんだよ。
学校へ行く準備をし下へ降りると、そこに親父の姿はなかった。




『ねぇ、母さん…お…』




言いかけてやめてしまった。




あれは夢だと言い聞かせたのに、夢だったんだと、夢に違いないと思っているのに…




今の母さんに、親父の事を聞いてはいけない。




と頭が勝手にストップをかけた。




「葉さん(親父)なら早めに出掛けたよ」




でも、母さんは気付く。



やたら勘がいい人で、私は無表情で他人からすれば、感情を読みとるのは難しいだろうけれど、母さんにはすぐにバレてしまう。



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