愛してるんだよ。
そして、来た。




あの日




いつもと同じように玄関の前にたつ。



家に入るだけなのに、




心臓を…舌なめずりされているかのような感覚に襲われるようになったのが堪らなく悲しい。




自分の家に、入るだけなのに…




足が動かない。




ドアノブに手をかけようとした瞬間



ガチャ…



自然と扉が開いて




「一葉…おかえり…」



あぁ…来る…



もうイヤだ…



表情で分かる



母さんは、私の名前を呼んでいても…娘と思ってなんかいない。



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