愛してるんだよ。
情けない…



けれど、ここまで来れた事が進歩なんだ



『頑張らなくちゃ』



重い足を再び動かして歩き出す



ねぇ、母さん。



会ったら、まずなんて言おう



謝る事は出来ないの



許してなんて言えないの



母さんを苦しめてた言葉なんて使えない…



考えすぎかな?



私の悪い所ね。



あの事故以来、一度も帰らなかった私を母さんはどう思っているんだろう



足を止めて玄関先で再び立ち竦む



とうとう、たどり着いてしまった。



悲しい記憶が



次から次から溢れて来るけれど…



もう逃げない。


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