愛してるんだよ。
正午過ぎ



喫茶店で1人佇む俺…なんだか寂しい。



ブーン…



人通りの少ない道に車が通ると、あの日を思い出す




一葉が顔に爪を食い込ませて、痛々しい位怯えていた事故の日を



どうしたらいいのか分からなくて



何も言葉をかけてあげられなかった



でも、その時だと思う



一葉をあの家から連れ出そうと思ったのは



違う場所で一葉と共に住もうと決心した瞬間だったんだ…多分。




何もかも一丁前に出来る大人じゃないけれど…



大人が、両親が、一葉を苦しめているなら、子供の俺が守らなくちゃと…意味の分からない理屈を必死にこねていた。



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