愛してるんだよ。
保健室まで行くと、ドアは半開きで、中には一葉が寝ていた。



『あの保健医、不用心だな、一葉一回寝たらなかなか起きないのに開けっ放しのまま、どこか行くなんて』



少々、あの保健医に気を許した自分に苛立った。




『一葉、独りにしてごめんな』



耳元で、そう言うと少し笑った気がした。



「襲わないの?」



後ろから声が聞こえて、振り向いた。



『バカ言わないで下さい。入学初日に停学にはなりたくありませんよ。』



ニッコリ笑ってそう答えたが、ちょっと驚いた。



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