愛してるんだよ。
「なに、一人で赤くなってるのよ」



『べ、別に…』



「ふーん」



見透かしたように笑う母さんを少し睨んだ



母さんとのわだかまりが、綺麗に無くなったとは言えないけれど



過去を振り返っては、悔やんでばかりだった悲しい自分



そんな自分を少しでも変えていきたい



そう思う。



「あっ、おかえり。」



母さんの声に後ろを振り向くと親父が立っていた



『親父…おかえり』



すると、親父は扉に寄りかかってボロボロと泣き出した



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