愛してるんだよ。
『恥ずかしくなんかないですよ。むしろ、嬉しいです。』



「お前、本当に好きなんだな、佐久間が。」



『いいえ、好きなんかじゃありませんね…。』



「ふーん」


と意味深に笑っている保健医には、俺があの後に続ける言葉がバレてる気がした。



好きなんかじゃないんだ…。



『今後、こいつ…佐久間がお世話になると思いますけど、よろしくお願いします。』



「保護者みたいだな。」



ほっとけよ。



『失礼します。』


保健室を出て、廊下を歩いていると、桜の花びらがふりこんできた。



そして、ふと思った



『あの保健医、名前なんだっけ。』
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