愛してるんだよ。
サクちゃんヤメテ!!


と言う言葉がずっと遠くの方から聞こえた気がした。


男を掴もうとした瞬間


『一葉、ストップ。』


と体を捕まえられてしまった。


「カズ…」


『ガンガンに我失ってたね』


「カズ、止めないで」


『一葉。あの男は、葉さんじゃないよ?』


「…」


あぁ…なるほどね


私がこんなに腹が立ったのは、コイツが親父に重なって見えたからか…


「サクちゃん…ありがとう。」


「お礼、言われるような事、してない。」


『何なんだよ!!他人の事に口挟みやがって!!』



と浮気男が叫んだ。
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