愛してるんだよ。
「聞こえたんですね…私こそすいません。」



『後悔や、そういう不の気持ちは聞こえやすいんだ。』



「あぁ、なるほど。だから私は垂れ流しなんですね」




『何か汚いなその言い方。』



「サツキさんが先に言ったんですよ?」



そうだっけか?と頭を捻る。



「カズは、私の母が好きなんです。」



苦しい、こんなに…痛い。



分かっていた事を言葉にして…誰かに伝えるなんてないと思ってた。



母…さん…



呼吸が……出来ない…



「ック…はぁ…」



ギュッと抱き締められてビックリした。



『悪かった。イヤな事を聞いて…一度息をとめて、ゆっくり吸うんだ…今紙袋やるから。』



とサツキさんは私を抱きかかえてベットに運んだ。
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