総長が求めた光 ~Ⅰ序章~【完】
「レナー!まだかー?」
ユウコの少し拗ねたような声が聞こえる。
「今終わるー」
ユウコが持って来たデザインは真っ赤で胸のほうには、フリフリのレースが何段かついている奴だった。
しかも、ひもが背中用と首用で少し手間取ったのだ。
「はいっ!これでいい?ユウコ」
「うわっ。レナ、めちゃかわいい・・・・」
試着室の前で胡坐(あぐら)をかいて座るユウコとアサ。
ヒサとルイはその両端で腕を組んで立っている。
ほんっと見るからにヤンキーだな。
でも、まったく怖くない。
にこっと笑って
「これがいい。これ着て海行きたい。」
「ほ、ほんとか!!?」
ユウコがもともと大きかった目をもっと大きくしてこっちを見る。