総長が求めた光 ~Ⅰ序章~【完】
なんでここまで来てあいつは“キャベツ”食ってんだよ。
もうなにあいつ。
マジでバカじゃないの。
あたしはため息をつきながら前を見た。
「うわぁ・・・」
もう言葉にならなかった。
目の前に広がる世界には何もない。
あるのは地平線の彼方と、透き通る海に見える綺麗な魚たち。
「すっげぇだろ?」
右側からユウコがニカッと笑いながらあたしを見る。
「うん。とってもきれい。」
きれい。
きれいすぎて、汚いあたしはこれ以上見れない。
まぶしすぎる。