総長が求めた光 ~Ⅰ序章~【完】
「こっちの魚のほうが、顔がブサイクだろうが!!」
「何言ってんだよ、海坊主。こっちに決まってんだろ。」
片手に小さな小魚を持ちながら、どっちの魚がブサイクかを討論していた。
今の数十秒の間に何があったんだ。
ていうか、その魚両方ブサイクじゃん。
あたしが二人を遠い目で見ていると、いきなり後ろからいきなり腰をつかまれ、カラから無理やり下ろされた。
「きゃあ!!」
てか、おろさないでよ!!
「お前なんでカラに肩車されてんだ。」
あたしが、涙目になりながら後ろをキッと睨むとものすごい眼力で睨み返された。
「な、なんでここにいんのよ!さっきまであそこでキャベツもしゃもしゃ食べてたじゃん」
「お前がカラに肩車されてんの見て、ゆっくり食ってられるかっての。こっち向け」
ヒサの言われるままに、ゆっくり反転させられる。