総長が求めた光 ~Ⅰ序章~【完】
「で、早く言わねえと、この手離すぞ。」
ダメダメダメダメ。
それは今のあたしに一番してはいけないことだよヒサ君。
「どうすんだよ。」
むー。
この男どこまで卑怯なのだろう。
「ほら、早く言ってみろ」
「ちょっ!なんで徐々に手の力緩めてんの!?」
ゆっくりと腰の手の力が緩んでいき落ちそうだ。
「~~っ肩車・・・・・して・・・」
「言うのがおせーよ。バカ。」
珍しくふわりと笑ったヒサ。
「バカじゃないし!!」
不覚にもドキッとしてしまったことは、
「みみ・・・ちぎれる・・。引っ張んなよ。」
コイツにだけは絶対に言わない。