総長が求めた光 ~Ⅰ序章~【完】
「!?」
あたしは驚いて、後ろを見た。
そこには、缶ビールを片手にふらりと立つアキがいた。
「ア・・・キ・・・。」
「よープリンセス。」
なんでここの奴らは勝手にあだ名を決めるのだろう。
「なんで俺も呼んでくんなかったの。プリンスなのに。」
それに加えて被害妄想が激しい。
コイツはいつあたしのプリンスになったのだろう。
ビックリだ。
「いなかったじゃん。」
「いやー。思いのほか手間取っちゃってー。てへっ」
うわ、キモ。
「何に手間どんの。」
「不特定多数の女の子と別れるの」
「鬼畜。」
「俺がこの世で二番目に嫌いな言葉ね。」
「一番は?」
そう聞くとアキはフッと笑って、
「愛してる」
そう耳元でささやいた。