総長が求めた光 ~Ⅰ序章~【完】
レナの決意
ヒサの別荘に帰った後、あたしはヒサの部屋から一歩も出るなと言われた。
けど・・・。
「出るなと言われたら、出たくなるのが心理だよねぇ~。」
こっそりドアを開けて左右を確認する。
よしっ。誰もいない。
・・・・・・。
なんかここに来て変わったな。
あたし。
シンに出るなって言われた時は反抗する気にもならなかったけど。
ココにいると、思う存分羽を伸ばしてる自分がいる。
なんだか。
安心するんだココ。
温室に放り込まれた兎になった気分だ。
悪く言うと甘やかされてるって感じ。
あたしはそんなことを思いながら部屋を出た。
ミズキたちの部屋に行こうと思ったけど、それじゃあ勝手に出たことを怒られるので、いつもの部屋に行った。
部屋に着くと、なんだか話し声が聞こえてきてあたしはそっと、ドアに耳をくっつけた。