総長が求めた光 ~Ⅰ序章~【完】
聞こえてきたのは、ヒサの声と・・・女の人の声。
「新入りが入りました。」
なるほど。
今は総会中か何かか。
そうだとすると、この声の2人は傘下のレディースかな。
「女の行方も・・・」
えっ・・・・。
よくは聞き取れなかった。
けど今、女の行方って・・・・。
確かにそう聞こえた。
もしかしたら、シンが探し回ってるのかもしれない。
もしかしたら、ヨウが薬をさせられてるかもしれない。
“そういう条件”だったのだ。
もしもあたしがシンから逃げたならば、ヨウに薬をさせる。
ヨウはまだ中学生だ。
しかもあたしやシン、お兄ちゃんの関係を知らない。
あたしはドアにすがるようにして座った。