総長が求めた光 ~Ⅰ序章~【完】
ホームレスになってこんばんは。
気づいたらあたしは、ボストンバッグを片手に全く知らない場所に来ていた。
「!!」
今の間に何が!!
マジで記憶がない。
とりあえず近くにあったバス停のベンチに腰掛ける。
ボストンバッグの中身を確認すると、財布と服くらいしか入ってなかった。
準備悪!!
でも、どうしよう。
今更ヒサたちのところには帰れない。
もちろんシンのところにも。
けど、あたしが帰ればヨウを助けることができるかもしれない。
まだ無事だというう保証はないけど。
「今日は、野宿かなぁ・・。」
そう呟きながら空を見上げた。
満天の星の中にでっかい月が輝いている。
うん。
いいかもしれない。
たまにはなにもかも忘れてこの大きな空の下星を眺めながら寝るのも。