総長が求めた光 ~Ⅰ序章~【完】
ビーナスの失踪 ~ルイside~
―――――ピピピピピ――――――
けたたましく鳴り響くケータイ。
ディスプレイには「シュウ」の文字が浮かんでいる。
俺は急いで開き結果を聞いた。
何の結果か?
もちろんレナちゃんが見つかったかどうかの結果だ。
通話ボタンを押すとシュウのまぬけた声がする。
「何収穫は?」
「なんも。けど・・・」
「けど。なんだよ」
「ヤミが動いたらしい。」
ヤミ。
それはレナちゃんが兄と言った男の名前。
でも・・・・・。
そうだとすると、おかしいんだ。
「そっか。わかった」
レナちゃんのことを調べさせてもらった時の情報に。
兄の存在の事なんて“どこにも記されてなかったんだ”