総長が求めた光 ~Ⅰ序章~【完】
天神連合のトップZeus副総長ヤミはあたしの兄である。

「じゃあ、だから一緒にいたの?」

一緒にいた?違うよ。いなきゃいけなかったの。弟ヨウを守るために。

「うん。そうだよ」

必死で作り笑いをする。

ひきつってないよね・・。

「そうなんだ」

ルイが笑う。みんなもさっきの緊迫した空気とは一変し少し落ち着いた空気が流れた。

でも、一人だけあたしに鋭い視線を向ける人がいた。

思わずその力強い視線に頼ってしまいそうになる。

だめだ!!忘れたのか!?あたしがシンをZeusを裏切れば、ヨウが・・・・。

無意識に眉間にしわがよる。

「レナ。今のはどこまでが、本当だ?」

だからやめてくれよ。

「ため込んでんの全部吐き出せ。受け止めてやる」

あたしの頬を一筋の涙がこぼれた。


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