総長が求めた光 ~Ⅰ序章~【完】
「よく来たな」
客間には、長細い机があり、俺と向かい合うようにしてシマとササツカは座った。
ヤミは俺の後ろに立っている。
「そりゃあ若頭に呼ばれたら断れないっすよー」
そう言ってガハハと笑うこの男はシマ。天神連合のバック赤鬼組の組長だ。
その隣で静かにタバコに火をつける男はササツカ。天神連合のもう一つのバック、青鬼組の組長だ。
「そういえば若。」
今まで口を開かなかった、ササツカが口を開いた。
「どうした。ササツカ。そっちの組でなんかあったか?」
「いや、なんかあったのはそっちみたいじゃないっすか。」
ふー、と紫煙を吐き出しながらササツカは続けた。
「なんでも・・・・・・・狂獣連合に叩かれたとか。」
一瞬でその場の空気が凍りついた。
ヤミが鋭い視線をササツカに放つ。
「おいおい聞いてねーすっよ。若頭。」
ヤミの鋭さがより一層増す。