総長が求めた光 ~Ⅰ序章~【完】
「なんで言わなかったんすか!?」
バンッと机をたたくシマ。
そんな怒るとこじゃねーだろ。うるせぇ。
あ~いらいらするとやりたくなる。打ちてぇ。
右に見える日本庭園からカコンっと間抜けな音がする。
「落ち着いてください。シマさん。」
「うるせぇ。ヤミ。俺は落ち着いてる。口出すな。」
シマのどすの利いた声が響く。
「そういうわけにもいきません。総長に、若に牙をむけることは許しません」
しかしその声に全く動じないようにヤミも言い返す。
まったく、そのポーカーフェイス、どうにか崩れねぇのかよ。真顔で淡々と話すヤミはけっこう迫力がある。
本当に何考えてるかわかんねぇけど、コイツの顔色が変わる時がある。
レナの話をした時だ。レナの話をするとこいつはいつも顔色が悪くなる。
表情に出ない分顔色に出るのか?