総長が求めた光 ~Ⅰ序章~【完】
そう思いつつもちゃっかりシャワーをご機嫌で使うあたし。
バスルームはとても広くてどっかの温泉かと思うくらい。
「はぁ~気持ちいい~」
頭にタオルを乗せながら、あったかい湯船に身を任せる。
今頃、お兄ちゃんやシンは何をしてるんだろう。
シンは多分薬をしてるんだろうな。
こんなことになってヨウは無事だろうか。
あの時した、シンとの約束。
薬をしないかわりに、あたしはペットになる。
そしてもう一つ。
これは、シンが出してきた条件。
「ヨウ・・・・・どうか・・・無事でいて・・・」
顔の前で祈るように手を組む。
そのはずみであたしの首にかかってる、首輪のチェーンがチャリッと音を鳴らす。
まるで、自分の存在をアピールするように。