総長が求めた光 ~Ⅰ序章~【完】
長い廊下を通って玄関に着く。
なに、この玄関の広さ。
さっきのバスルームと大して変わんないんですけど。
「レナちゃんが行きたいお墓ってどこにあるの?」
前のいきさつを知らない人だったら確実に誤解される言い方だ。
「大通りを抜けたところ・・・。」
「あぁ。じゃあ俺のとこと一緒だ。」
そう言いながら、ドアを出てルイは先にどこかへ行ってしまった。
残されたあたしは、一人玄関の段差に腰を下ろして待ってた。
「どっか、出かけんの?」
ふいに、少し眠たそうなやわらかい声が聞こえてきた。
近くにあった階段に、そいつは立っていた。
確か名前は・・・。
「もしかして、もう俺の名前忘れた?」